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  東京ドームプロ野球開幕戦の歴史
  2014年のプロ野球も開幕しました。今回は東京ドームプロ野球開幕戦に目を向けてみる事になるが、そこを語っていくにはヤクルトスワローズの存在は外せない物である。東京ドームプロ野球開幕戦は巨人対ヤクルトで歴史の幕を開け、その後も両チームのペナントの行方を左右する大事な幕開けの舞台として、大きな鍵となってきた。1990年代のプロ野球・セリーグを振り返った時、巨人対ヤクルトの東京ドームプロ野球開幕戦を真っ先に思い出す方も少なくないのではないだろうか。



1988年4月8日、それまでの後楽園球場から東京ドームへと生まれ変わって初めてのプロ野球公式戦が開幕した。この東京ドームプロ野球開幕戦は日本初の屋内ドーム球場の開場という事もあり、大きな注目を集めていた。東京ドームをホームとするのは球界の盟主たる地位を固め、この年も意気揚々と優勝を狙う読売ジャイアンツであり、初の東京ドームプロ野球開幕戦でジャイアンツの勝利を願う者がほとんどであったはずである。しかしそこで勝ったのはスワローズであった。この年のジャイアンツは二位である。

そこから七年後の1995年、東京ドームプロ野球開幕戦の相手はスワローズであった。前年優勝・日本一を果たし今季も意気揚々と連覇を目指すジャイアンツに対し、スワローズは中心選手としてそれまで活躍してきたハウエル・広沢両選手のジャイアンツ移籍もあり、世間からはBクラスの声しか聞こえてこない状況であった。なんなく初戦をジャイアンツが取り、迎えた二戦目に事は起こった。ジャイアンツのエース・桑田がスワローズの一番打者飯田に頭部死球を与え危険球退場、試合もスワローズが逆転勝利したのだ。

この一戦からスワローズはスタートダッシュに成功、快進撃を重ねて95年優勝・日本一を獲得したのだ。東京ドームプロ野球開幕戦巨人対ヤクルトは何かが起こるカードだ、92.93はスワローズが優勝、94はジャイアンツとセリーグの覇権を当時二分していた事もあり、そんな雰囲気がどんどん表に現れて来た。そして97年、両チームは再び東京ドームプロ野球開幕戦を迎えることになる。ここで未だ語り継がれる小早川の開幕三連発が生まれる事になる。


97年東京ドームプロ野球開幕戦、前年優勝のジャイアンツと比べスワローズの戦力は厳しいとここでも思われていた。投げる投手はジャイアンツのエース・斎藤雅樹であり、スワローズは長年カモにされて来た。しかし、前年広島カープを解雇されスワローズにやって来た小早川がホームランを三連発、斎藤を沈めたスワローズは勢いに乗り、安定した強さで優勝・日本一を掴み取ったのだ。東京ドームプロ野球開幕戦は巨人対ヤクルトで幕を開け、90年代のプロ野球・セリーグを左右する大切な一ページであった。