い草の植付は11月〜12月中旬位まで行われます。
い草の生育は、4月中旬〜6月中旬まで有機、化成肥料の散布を行います。
寒い冬を経て、強いい草の新芽が春に出ます。
先刈作業等をして、7月に収穫の時期を迎えます。

い草は一般的に泥染め作業を行います。その染土は天然の山土などで、
この作業によって色もちの良さや香りを強くするなどの利点があります。


イ草独特の良い香りはこの泥染め工程を経て、
つきます。
イ草(イグサ)は、単子葉植物イグサ科の植物です。
イグサ科植物の総称でもあります。

標準和名はイ(イグサを使うことも有ります)で、
最も短い標準和名としても知られています。一般的にはイ草と呼ばれています。イ草は畳表を作るのに使われ、俳句では夏の季語とされています。イ草の特徴としては、湿地や浅い水中に生える植物で、泥に根を下ろします。植物の形としては、少し変わったもので、先のとがった細い茎ばかりが束になったような姿をしています。ヤマアラシを頭から泥に突っ込んだようなものです。
実際には、イ草の針状のものは花茎に当ります。茎は地下茎となっていて、泥の中で短く這い、多数の花茎を地上に伸ばします。葉はその基部を包む短い鞘上のものに退化していて、外見上は無いように見えます。花茎は円柱状でまっすぐに伸びています。緑色で表面にはつやがあり、すべすべしています。イ草の花は花茎の途中から横に出ているように見えます。これは花が出る部分までが花茎で、その先はまっすぐに伸びているからです。イ草の花序は短い柄を持った花が多数付きます。             
  イ草の花は緑色で目立ちません。ただし、よく似た形状のカヤツリグサ科やイネ科のものとは異なり、通常の花です。よく見れば、目立たないなりに6枚の花被があります。イ草の花被は三角形で先がとがっていて、開いているときは星型に見えます。イ草の花被は果実が成熟しても落ちないで、その基部を包む鞘のような姿になります。果実には細かい種子が多数入っています。イ草の利用方法は、その茎を畳表やゴザを作る材料として利用しています。
イ草の茎は、帽子や枕の素材としても利用されています。その為に使われるのは栽培用の品種で、コヒゲと呼ばれています。野生種より花序が小さいのが特徴で、水田で栽培されています。ちまきを笹でくるむ際に、結わえる紐としても用いられます。イ草の別名のトウシンソウというのは「燈芯草」の意味で、かつて油で明かりを取っていた頃に、この花茎の髄を燈芯として使ったことに由来します。今日でも和ろうそくの芯の素材として用いられています。

イ草の日本における主な生産地は、熊本県八代地方であり、国産畳表の8〜9割のシェアを誇り、歴史的文化財の再生にも使用される高級品を出荷しています。他には、石川県・岡山県・広島県・高知県・福岡県・佐賀県・大分県でも生産されています。一方近年では、中国などの外国産の安価なイ草が多く輸入されるようになって、全流通量に対して国産畳表のシェアは3〜4割ほどに低下しています。さらに住宅居室の西洋化によって畳の需要が低下していましたが、自然素材の見直しや健康志向の高まりで、イ草の価値に注目が集まって、国内産地では品質の向上・高級化を目指しています。 
▲い草育成の1年 
 1)畑から苗を掘り起こし、株分けをする。
 2) 株分けした苗を、苗床に植付ける。このとき、昼には苗床に水を引き、夜は、水を抜いておく。この作業を、植付けから10日間くらいの間、毎日繰り返す。この作業は、昼間は、水を引いておくことにより、夏の暑さから苗を守り、水の入れ替えにより、酸素の多い新鮮な水を供給し、苗の育成を促します。
 3) 11月中旬:苗床で育った苗を掘り、株分けをし、本田(ほんでん)に植え付ける
 4) 3月上旬 除草剤を散布する。(1つの田んぼに2,3回)
 5) 5月 先刈り(さきがり)、5月上旬、い草を40cm〜45cm残し、い草の先端を刈る。これは、田んぼの土の温度を上げ、い草の発芽を促す効果がある。
 6) 網かけ:い草は、直径1mm以下で1.5mもの長さに成長いたします。したがって、風が吹いたりすると倒れたり、折れたりしてしまいます。これを防ぐために、田んぼに全体に網をかけ、倒れるのを防ぎます。い草は、網の間から先端をだし、折れ曲がることなく、すくすく成長します。  
 7) 6月 網上げ:刈り取りができる長さになるまで、繰り返される。
 8) 病虫害駆除
 9) 追肥:7日〜10日間隔で5回〜8回肥料を与える。このとき、水に肥料を混ぜ流し込む方法などがある。
 10) 6月中旬 網外し
 11) 収穫:い草の刈取りは、日中の暑いうちは、い草が痛むので避け、朝露の頃、早朝、日が昇るまでと、日が沈み夜露のときにします。
 12) そぐり:刈取ったい草を90cm〜95cmくらいの短いい草を捨てて1つに束ねます。現在では、機械で収穫するので刈取り時に短いものは選別されてしまいます。
 13) 泥染め:い草は、染土と呼ばれる粘土質の水溶液につけられます。これは、い草の変色を防ぎ、い草独特の色艶を生み、香りを引き出します。また、製織するときにい草を傷などの痛みから守ります。新しい畳表の表面についている粉がそれです。
 14) 乾燥:泥染めされたい草は、天日で乾燥されます。現在では、乾燥機にかけられ乾燥されます。乾燥したい草は、一束ごと、変色を防ぐため黒いビニール袋に入れられ、製織されるのを待ちます。

    

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