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【さ行】
- さらさ【更紗】襖紙に模様を施す技法のひとつ。渋型を用いて、絵の具をボタン刷毛で摺り込みます。
- さるとり【さるとり】下貼りの厚さを調整するために框を楔形に削ること。
- さんげん【三間】⇒さんげんよまいだち【3間4枚立】
- さんげんよまいだち【3間4枚立】3間の間に4枚の建具が入るもの。「三間」ともいいます。
- さんしちみぞ【三七溝】鴨居や敷居につける溝および溝と溝の間の凸部(これを樋端とか「しま」という)の幅のことで、溝が7分、しまが3分のものをいいます。
- さんぶこ【三分子】見付きが3分の組子のこと、また、この組子で組まれた骨のこと。和襖骨の中では、もっとも低価格なものになります。
- さんぼう【三方】縁の花塗りの一種で、骨にとりつける面を除いた三面しか塗らないこと。上三方、甲三方などがあります。
- さんろくみぞ【三六溝】鴨居や敷居につける溝および溝と溝の間の凸部(これを樋端とか「しま」という)の幅のことで、溝が6分、しまが3分のものをいう。主に天袋に用いる。
- しあがりすんぽう【仕上がり寸法】=できあがりすんぽう【出来上がり寸法】襖の縁の端から端までの寸法。⇒ほねすんぽう【骨寸法】
- しきい【敷居】建具をはさんで溝のある下部の横木。
- ししちみぞ【四七溝】鴨居や敷居につける溝および溝と溝の間の凸部(これを樋端とか「しま」という)の幅のことで、溝が7分、しまが4分のものをいう。四七溝の場合は、マス縁には太マスを使う。
- したじすんぽう【下地寸法】⇒ほねすんぽう【骨寸法】
- したばり【下貼り】襖や壁の下ごしらえとして貼る紙、および貼ること。細川紙、石州半紙、代用石州、茶チリなどを用いる。骨を補強し、最終的な上貼りの仕上げを美しくするために不可欠なもの。⇔うわばり【上貼り】
- しっし【湿紙】漉き上げたばかりの濡れた状態の紙。
- しとみど【蔀戸】寝殿造りの邸宅の日光を防ぐ上げ戸。
- しぶがた【渋型】型染めに使う型紙。渋紙に模様を写し、彫って型紙をつくる。襖紙では、置き上げ、更紗などに用います。渋紙ともいう。
- しぶがみ【渋紙】手漉きの和紙に柿渋を塗ったもの。耐水性と強度が増す。⇒しぶがた【渋型】
- じぶくろ【地袋】部屋の下部に取り付けられる戸棚の襖。床の間の違い棚の下、仏壇の下などに主に用いられます。地袋の上貼りは部屋の襖と合わせ、デザインの統一をはかることもあります。⇔てんぶくろ【天袋】
- しぶこ【四分子】見付きが4分の組子のこと。また、この組子で組まれた骨のこと。
- しもざん【下桟】襖の外周の4本のうちの下の縁。⇔かみざん【上桟】
- しゃおり【紗織】縦糸(経糸)が綿糸、横糸(緯糸)がマニラ糸で織ったもの。新紗織と区別するために本紗織ということもある。
- しゅんけいぬり【春慶塗り】14世紀、漆工春慶が発明した塗り方で、素地の木質をいかすように色付けをして、その上に透漆を塗る方法で花塗りの一種。
- しょいんづくり【書院造り】桃山時代に完成し今日の和風住宅の原形となった住宅様式。別々の建物を渡り廊下でつなぐ寝殿造りと違って、一つの建物の中を仕切って複数の部屋を合わせる様式。主室である上座の間には床の間、違い棚、書院がつく。間仕切りに引き違い戸、襖、障子などか使われます。平安貴族の邸宅であった寝殿造りに対して、武家住宅を代表する。
- じょうぎぶち【定規縁・定木縁】襖4枚が引き違いに建て込まれた中央は、縁と縁とが突きつけになる。この部分の隙間を見せないために竪縁に出っ張りのついたものを用います。これを定規縁といい、両面につける「両定規(合わせ定規)」と主室の側だけにつける「片定規」とがある。片定規は2枚開きにも使われます。
- しょうじがみ【障子紙】障子に貼る紙。外光を適度に和らげ、部屋の内外を隔てながらも外の気配を映し、通気性、保温性を保ちます。さらに貼り替えがきくという和室特有の機能美を演出するものとして重要です。美濃紙や半紙を使う。採光に良く腰の強さをかわれて最近ではプラスチック障子紙などが出回っています。
- じょうしん【上新】⇒じょうしんとりのこ【上新鳥の子】
- じようしんとりのこ【上新鳥の子】=じようしん【上新】鳥の子の普及品で、紙はすべて機械漉きのため比較的低価格で均質な特徴をもつ。
- じょうはな【上花】襖の縁の花塗りの上等のものをいう。塗立漆ともいう。厚く上品な仕上がり。普通の仕上がりは中花という。⇒はなぬり【花塗り】
- しょうへきが【障壁画】建物の内部の壁画や障屏画のこと。平安時代以釆、壁面や襖、屏風などが日本画の画面形式として用いられ、特に桃山時代から江戸時代にかけて、装飾性に富む豪華な作品がつくられました。
- しらた【白太】杉などの丸太の切り口を見ると、中心部が赤く周囲が白い。この赤い部分を建材にしたものを赤味(心材)、白い部分を建材にしたものを白太(返材)といいます。板材としての白太は赤味と比べると水分を多く含み、耐久性に乏しい。
- しるけっと【シルケット】横糸に麻、縦糸に木綿を使った織物。
- しんしゃおり【新紗織】本紗織の風合いをスフ糸で織ったもの。織物の襖紙の中ではもっとも廉価になります。⇒しゃおり【紗織】
- しんとりのこ【新鳥の子】=ちゃうら【茶裏】襖紙の中で最も廉価な和紙。製紙から模様付けまで一貫して機械生産される。新鳥ともいいます。
- じんぴせんい【靱皮繊維】植物の茎などの周辺部(外皮の内側)にある繊維。強靱で抵抗力が強い。伝統的な和紙の原料として用いられ、雁皮、三椏、楮、マニラ麻などがあります。
- す【簀】竹などで粗く編んだもの。簀桁に置き紙料の水分を流し落とす役目をします。⇒すげた【簀桁】
- すいりゅうし【水流紙】漉き模様の技法のひとつで、水滴で直線や曲線の縞状の模様をつくった紙。
- すきあわせ【漉き合わせ】本来は、2種の紙料を重ね漉きしたもの。下貼りの場合は、骨縛り用の紙(骨紙)とべた貼り用の紙とを漉き合わせた紙をいいます。
- すきあわせし【漉き合わせ紙】漉き模様の技法のひとつで、2枚の紙の間にさまざまなものを漉き合わせた紙。
- すきいれし【透き入れ紙】漉き模様の技法のひとつで、紙面に凹凸を与えて模様をつくった紙です。
- すきず【漉き簾】和紙の手漉きに使う簾。
- すきぞめ【漉き染め】伝統的な和染めの手法を受け継ぐもので、紙料の靱皮繊維(雁皮・三椏・楮など)を叩解したのち、ネリと染料を加え漉き上げること。例外として、藍染め紙だけは原料が直接染め付けしにくいため、漉き上げた和紙を藍染めし、再び叩解して紙料に戻し漉きなおします。
- すきどめ【透き止め】襖の下地が透けて見えるのを防ぐために貼るものです。
- すぎまさぶち【杉柾縁】柾目の美しさを生かした赤味の杉の縁。
- すきもよう【漉き模様】抄紙工程の中で、さまざまな技法で模様をつけること。繊維によって光沢や色などに変化をつけ、柔らかく模様を浮きだたせます。
- すきやづくり【数寄屋造り】茶室、勝手、水屋などが一棟に備わった建物を言うが、茶室風の建物を指すこともあります。
- すくり一んいんさつ【スクリーン印刷】捺染印刷ともいう。型枠にスクリーン(紗)を張り、模様をやきつけ、スキージ(へら)で絵の具をこすって模様をつけます。
- すげた【簀桁】型枠に竹製の簀を張ったもの。抄紙の際に漉き槽(漉き舟)から紙料を汲み上げるのに用います。
- すなご【砂子】⇒きんぎんすなございく【金銀砂子細工】
- すぷる一す【スプルース・SPRUCE】アラスカ産の針葉樹の一種。杉に似た肌合いで、木地縁に最近はよく用いられる。
- すみいた【隅板】襖の骨組みを補強するために四隅につける板。燧板(ひうちいた)ともいいます。
- すみながし【墨流し】水面に揮発性の油を浮かし、その上に墨、あるいは染料を流してその模様を紙や布に吸着させてうつしとる技法です。
- すらいでぃんぐどあ【スライディングドア】襖の英訳=slidingdoor
- すりざん【摺り桟】引き形式の太鼓襖(坊主襖)の上貼りの保護と、すべりをよくするためにつける上下の桟。
- すんぽうぶすま【寸法襖】採寸して、その寸法に合わせて作る襖のこと。⇔きかくぶすま【規格襖】
- すんぽうもの【寸法物】⇒すんぽうぶすま【寸法襖】
- せきしゅうはんし【石州半紙】石見国(島根県)から産出する楮漉きの半紙。版画用紙、障子紙、襖の下貼り紙などに用いる。⇒したばり【下貼り】
- せんだいし【仙台紙】茶チリを透き止める目的のために紫色に染色した下貼り用の紙。
- そうもよう【総模様】襖紙の全面に模様をつけたものです。
- そでもよう【袖模様】襖紙の右側、左側の片方にのみ縦に模様をつけたものです。
- そりどめ【反り止め】反り止めは、一般下貼りとは異なって建て合わせ後、反りの加減を考慮して、予防的に貼るもので、必ずしもどの襖にも施すというものではありません。和紙、またはハトロン紙など適当な幅に切って貼ります。
- さらさ【更紗】襖紙に模様を施す技法のひとつ。渋型を用いて、絵の具をボタン刷毛で摺り込みます。
参考文献「襖考」 ⇒襖に関する用語集その1 その2 その4 その5 その6 その7 その8
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