blog 本文へジャンプ
>前の記事へ
     次の記事へ<

 記事一覧 

  イメージ
志賀直哉の小説「城の崎にて」は兵庫県の城之崎温泉を舞台にしています。
城之崎温泉は兵庫県にある温泉です。平安時代から知られる温泉地で1300年と言う長い歴史を持つ温泉地でもあります。城之崎温泉は文豪たちに愛された温泉地でもあります。志賀直哉が、病気療養のため滞在した城之崎温泉を舞台にした小説「城の崎にて」で記しています。

また与謝野鉄幹・晶子夫妻も、訪ねています。実際に志賀直哉が滞在した、城之崎温泉「三木屋」と言う宿は今でも存在しています。「三木屋」は創業300年を超える江戸初期創業の純和風旅館です。志賀直哉が訪れたのは、大正2年です。館内はまるで時が止まったかのように静寂に包まれ、江戸の風情を残した建物と、文豪が愛した歴史と情緒を感じる事ができます。また今年は志賀直哉が来訪して100年の節目の年でもあるので、各地でイベントも開催されています。志賀直哉の文学碑がある「城之崎文芸館」はJR城之崎温泉から徒歩で約5分の場所にあります。こちらの施設では書籍や、資料などが展示されています。

城之崎温泉には、志賀直哉のファンにはたまらない魅力が詰まっています。

コウノトリが傷を癒していた、という伝説もある城之崎温泉の始まりは、道智上人と言う修行僧が修行を行った際、温泉が湧き出したと言うのが始まりと言われています。道智上人は温泉寺開山でもあり、温泉寺はそれから城之崎温泉の社会的中心にもなりました。長い歴史を持つ城之崎温泉は、日本の歴史にも深く関わっています。

幕末には桂小五郎が新撰組から追われ、城之崎温泉に逃げてきた事もあります。また日露戦争の際には負傷した兵士を、湯治させるため療養所を城之崎温泉に設置したと言う記録もあります。第二次世界大戦では温泉街は軍人病院となりました。

しかし城之崎温泉は、いつの時代も独自の方法で苦境を乗り越えてきました。江戸時代の城之崎温泉街にはすでに遊技場の他、ぜんざいやうどんやなどの食べ物屋もありました。食材も各地から運ばれてくるので豊富、貸し物屋では娯楽品や武器まで様々な物を取り扱っていました。客をもてなし楽しくさせる工夫に溢れています。城之崎温泉には近郊の藩主や藩士が多数訪れ、城之崎温泉街はにぎわいをみせました。

明治以後も文豪たちが多数来訪しました。この頃城之崎温泉街は、地震に見舞われ多くの被害が出ましたが、湯が沸いている限り客足は絶えませんでした。高度経済成長では空前の温泉ブームが到来し、城之崎温泉は巨大な観光地になりました。

現在では城之崎温泉花火大会や、城之崎温泉湯けむり太鼓、城之崎温泉夏物語など、地域密着型の温泉として地元に深く愛されています。