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  京都の文化や京都の歴史とその気候
 
観光に訪れるには良いが住むには厳しいと言われるのが京都です。冬などに地方から京都を訪れ、古い町屋などを観光し、ホテルで宿泊する分には良いのですが、実際に京都で暮らすとその寒暖の差が激しく、住みづらいと言われています。冬は底冷えと呼ばれ、北海道や東北の出身者でさえ今日とは寒いと言います。北国は屋外はいかに寒くても屋内は暖かいのが普通です。しかしながら京都では、そうはいきません。部屋の中も寒いのです。

一方夏はどうかと言いますと、今度は南国出身者ですら暑いという夏が待っています。南国は日中は暑くても乾燥しているため、日が落ちると涼しくなりますが、京都は盆地ゆえ、何時までも暑いのです。風が動かないのです。京都の家屋は夏向けに作られているように思われます。少しでも風を通すように設計されているので巣。そのために、冬にはいっそう寒く感じられるのでしょう。夏はとても暑く、冬はとても寒い。これが本当の京都なのです。

しかしながら、この寒暖の差が、秋の紅葉の色をきれいにするのです。紅葉は寒暖の差が激しい方が色鮮やかになるといわれています。寺社仏閣に紅葉は欠かせませんが、暑い夏があってこその紅葉であるといえるのです。京料理にも同じような事が言えます。京都にはそこで発達した独特の料理があります。一つは福井からやって来るサバであり、もう一つは瀬戸内海からやってくるハモが上げられます。どちらも京都で水揚げされるものではありません。



今は流通が発達したため、全国各地の食材も京都で口にする事が出来ますが、かつて内陸部の京都では、新鮮な魚を口にするできませんでした。そのため福井から運ばれるサバにはきつく塩が振られ、瀬戸内海からは腐りにくく、生命力の強いハモという魚が運ばれたのです。おそらく他の魚も運ばれていたのでしょうが、鮮度の問題から定着することはなかったのでしょう。サバの寿司やハモの料理は京都の気候が作った料理といえるのです。

野菜も忘れてはいけません。京野菜といえばいまや京都以外でも栽培されており、どこでも購入することが出来ますが、京都の料理人に言わせると、やはり京都の土で作った野菜でないと京野菜とは言えないと言います。シャンパーニュー地方で作られたものしかシャンパンと呼べないように京の人間は野菜にも愛着を持っているのです。野菜も紅葉やサバ、ハモなどの魚料理と同様に、寒暖の差がその味に影響を与えていることは間違いないのです。