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親知らずの治療の必要性と治療方法 |
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乳歯が抜けると、通常は永久歯が上下合わせて28本生えてきます。しかし成人になる頃に、上下左右の奥歯のさらに奥の部分から、もう1本ずつ歯が生えてきます。これを親知らずと言います。親知らずは人によっては30代や40代になってから生えてきます。一生生えてこないという人もいます。そのため乳歯や、それが抜けた直後に生えてくる永久歯とは異なり、親が生え始めを把握することができないことから、親知らずと呼ばれているのです。
親知らずは最も奥の部分に生えてくる歯であるため歯磨きが困難であり、虫歯になってしまう場合が多いです。また親知らずが生えたことにより、それよりも前にある歯が押されて、歯並びが悪くなってしまうこともあります。そうなった場合は、親知らずの治療が必要です。虫歯になった部分を削ったり、歯並びに悪影響を与えないよう側面を多少削ってサイズを小さくしたりするのです。こういった親知らずの治療は、一般歯科あるいは口腔外科でおこなわれます。
虫歯がかなり進行している場合や、著しく噛み合わせや歯並びが悪くなってしまう場合は、親知らずの治療は抜歯という形でおこなわれます。親知らず自体を完全に除去してしまうのです。抜歯による親知らずの治療は、親知らずがまっすぐに歯茎から生えている場合は、簡単におこなうことができます。しかしまっすぐに生えていない場合は引き抜くことができず、特殊な親知らずの治療法が必要になります。すぐ横の歯に向かって生えている場合や、大部分が歯茎の中に埋もれている場合などです。
これらの場合の親知らずの治療は、一般歯科ではおこなわれません。口腔外科での手術となります。手術方法には色々とありますが、最も一般的なものは、歯茎をメスで切開して親知らずをむき出しにした上で、親知らずを何個かに細かく切り分けて少しずつ取り出すというものです。もしも親知らずが歯茎の中のみならずアゴの骨にまで埋まっている状態であれば、そこから取り出すためにアゴの骨も多少削ることになります。その後切開した歯茎を縫合して、親知らずの治療は終了となります。
この親知らずの治療に要する時間は1時間前後と短く、入院の必要もありません。そのため虫歯や歯並びの問題などが特になくとも、親知らずの治療をおこなう人は多いです。現在問題が起こっていなくとも将来起こる可能性は十分にありますし、親知らずはなくても困ることがない歯だからです。また、親知らずが生えていることで歯周病になるリスクも高くなります。さらには顔の輪郭がゆがんでしまうこともあります。それらを防ぎたいのであれば、できるだけ早めに親知らずの治療をおこなっておく方が良いと言えます。

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