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襖の構造と一般的な襖の施工過程





襖の構造は、主に杉などの木材を用いて骨を作り、両面に紙や布を張ったもので、下地の骨組みは四方にかまちをめぐらします。そして襖の中に通常3、4本、横に11から13本の組子を入れたもので、組子のうち中央の組子、横の組子に太いものを用いることもあります。これを力骨といいます。一般には三分子、四分子、五分子、六分子などを用いています。引手を取り付ける位置に引手板を設けます。

そして四隅には襖の変形を防ぐ目的で、火打板を取り付けることが多いです。この骨組に下張りを上等のものは、7、8回行います。また一般的なものでは4、5回行って、上張りをした後に折れ釘や寄せあいで化粧縁を取り付けます。化粧縁には白木または塗物があり、召合せ部分の縦縁いは定規縁を作って、隙間のできないようにすることが大切です。この上に襖紙を上張りして完成となります。

伝統的な襖の施工はさておき、現代一般的に用いられる襖の施工は骨紙張り、ベタ張り、袋張り、さらに上張りを行って襖紙を貼る工程であります。住宅公団などにおける在来紙襖規格でも、骨紙張り1回、ベタ張り1回、袋張り1回です。これに上張りが紙張りのなかで設けられているところからも、一般的な襖の施行例が決まってきます。しかし襖の格上品としては、合計八枚張りも残存しています。

このような伝統的な製作法が現在でも引き継がれているのです。つまり襖の制作に当たっては下張り、上張りの張り工程を何回繰り返したかによって、その格付けが行われているところで、その張り方もワラ張り、袋張りの工程で3枚重ねなどの張り技術が襖自体の良し悪しを決定付けているのです。襖の紙質は現在、和紙を中心に下張り工程をくり返すが、合繊、輪転紙などもよく用いられています。

それぞれの下張り、上張り工程において注意のいる点は、ノリ張りの濃さです。従来の下張りにあっては、まず最初の紙張りである骨紙張りにおいては、ややノリを濃くして貼り付けて、さらにワラ張り、袋張りと、合わせて3つの工程で水ノリをやや濃い目に使うのが下張り作業だったのです。これは襖の施工に当たって、経験を必要とする作業内容の一つとして、現在も店を代々引き継ぐ襖や屏風などを表具する職人によって行われています。